My Backbone 本と映画と音楽と 〜「小清水 志織」こと Yくんのリクエストに応えて〜 


  『夜と霧』(フランクル 著。1956<昭和31>年 初版。池田香代子 訳。みすず書房 刊)


※このホームページの「脚下照顧」のコーナーから

「来年の今日が、東京パラリンピックの開会式」「障害を持つ人のことを、アメリカやイギリスなどではチャレンジド・パーソン(英語)と

表現する」「聴覚の障害や視覚の障害は、その人にとっての課題」「その課題からチャレンジされている、挑まれている人というニュアンス」

「課題や宿題に自分自身が挑むというよりも、課題や宿題に自分自身が挑まれているという見方や考え方をした方が頑張れるのでは?」。

ニーチェ(「人が深淵をのぞく時、深淵も人を見ている」)やフランクル(「人生に何かを期待して生きるのではなく、自分が人生から何を

期待されているかを考えて生きる」)の実存主義哲学…入っています。 2019.8.24


『夜と霧』で知られるオーストリアの精神科医で心理学者ヴィクトール=E=フランクルの言葉が、「折々のことば」で紹介されていた。

「人間学がしてはならないことは人間を中心におくこと、このことである」。人間とは何かと問うとき、自分の側から見たり自分を尺度に

したりしてはいけない…と鷲田清一さんの解説があり、「人間(自分)がすべてとなったとき」こそ、ヒューマニズム(人間主義)は危機に

瀕する、と締めくくっていた。「自分が人生に何かを期待するのではなく、自分が人生から何を期待されているのかを考える」という

フランクルの人生観と併せて、これからよく考えていきたい言葉です。  2020.5.26


連休3日目も雨だったので、読書を続けた。今回の一気読みは、『大林宣彦の体験的仕事論〜人生を豊かに生き抜くための哲学と技術』

(語り:大林宣彦 構成:中川右介 PHP新書 2015.7.29)。「芸術家(映画作家の大林宣彦)によるビジネス指南書」をコンセプト(全体を

貫く方針や目的)とした本で、前日までの学校論や教育論が内容の本とは、ビジネスや経営の観点でつながる読書になった。もちろん、

今年の春に他界された大林監督を偲ぶ気持ちもあって。「能力80の人が努力して100点を出してくれても、20点のプラスである。30の

能力の人が60点の力を出したときは、30点プラスしている。そっちの人のほうがおまえの人生や仕事にうんと役に立つんだぞ(大林監督

の父君の言葉)」と「永遠の未完成、これが完成である(宮澤賢治の言葉)」が連続して書かれているページを読んで、驚いた。どちらも、

「人間にとって大切な価値は態度価値だと思う」という考え方の具体例として、これまで授業や部活、担任になったホームの指導で生徒達

に伝えようとしてきたことだったので。驚いたというより、「やっぱり!」と納得した。 2020.7.25


1日オフの月曜日。このホームページのコーナー「 My Backbone 本と映画と音楽と」を更新するために、本棚から『知的好奇心』(波多野

誼余夫<ぎよお>・稲垣佳世子 著。1973<昭和48>年 初版。中公新書 刊)を取り出して、ページに折り目があったり傍線や書き込み

を付した箇所を読み始めたら…ほぼ1日、「沼」に入ってしまった。その沼とは、教員人生でずっと肝に銘じてきた「態度価値という価値基準

(ものさし)が、人間観や人生観(どんな人間、どんな生き方に価値を見出すか)においてとても大切。たとえば、80もの力を持つ人が100点

満点を取るよりも、30しか力を持たない人が60点を取ることの方が価値が高い」という考え方を、誰の言葉(どの本)から学んだのかという沼。

『夜と霧』(フランクル 著。1956<昭和31>年 初版。池田香代子 新訳。みすず書房 刊) →『道徳教育への遡行』(岡村遼司 著。1990

<平成2>年 初版。萌文書林 刊)→『人並みという幻想』(岡村遼司 著。2006<平成18>年 初版。駒草出版 刊)と読み進めて、最後に

岡村遼司先生(大学で一番影響を受けた、教育学の先生)の授業ノートを読み切った。どんな教師になろうとしてたのか、どんな大人になろうと

してたのか…22歳(まだまだ「青22歳」などと言ってたっけ)前後の自分に再会できた…再会してしまった。 2024.6.10